
クレソンは「オランダガラシ」とも呼ばれる、アブラナ科に属する緑色の野菜です。
細くて柔らかい茎に、丸みのある小さな葉が付いていて、サラダや付け合わせによく使われます。
この野菜のいちばんの特徴は、ピリッとした辛味と、ほんのり苦みのある独特な風味です。
この風味のもととなっているのは「シニグリン」という成分で、消化を助ける効果もあるとされています。
わさびやラディッシュ、大根の葉などに感じるあの刺激と少し似ていると言えばわかりやすいかもしれません。
クレソンは、生のままサラダに使ったり、加熱して和え物や煮物にしたりと、さまざまな料理に合います。
茎の部分は葉よりも苦みが強く、大人向けの味わいとして楽しむことができます。
昔は料理の見た目を良くするために添えるだけの存在でしたが、今では栄養豊富な食材として注目されています。
クレソンがない時におすすめの野菜とは?
クレソンは一年を通していつでも簡単に手に入るわけではありません。
とくに小さなスーパーなどでは取り扱いがなかったり、売り切れていたりすることもあります。
そんなときに知っておくと便利なのが、クレソンの代わりに使える野菜です。
ここでは、味や香りがクレソンと似ている野菜をいくつか紹介し、それぞれの特徴や使い方も説明します。
使い慣れた野菜の新たな使い道が見つかるかもしれません。
大根の葉(意外と優秀な代用品)
普段は捨ててしまいがちな大根の葉も、実はクレソンの代わりになる優秀な食材です。
大根の葉にもシニグリンが含まれており、ピリッとした辛味が感じられます。
さっと炒めたり、味噌汁の具にしたりすると風味が引き立ちます。
葉付きの大根を買ったときは、葉を切り分けて冷凍保存しておくと便利です。
冷凍すれば1ヶ月ほど保存でき、必要なときにすぐ使えるので無駄もありません。
ルッコラ(洋風の料理に最適)
ルッコラは、イタリア料理に欠かせない野菜のひとつです。
見た目はクレソンより少し大きめで、葉の形も違いますが、味は似ています。
サラダやピザに乗せると、ほのかな辛味と香ばしい風味がアクセントになります。
チーズやトマトと合わせると、相性がとても良くなります。
洋風の料理をよく作る人には特におすすめの代用品です。
からし菜・わさび菜(ピリ辛系の代用野菜)
からし菜やわさび菜は、クレソンと似たピリッとした辛味を持つ葉野菜です。
見た目は少しちがいますが、刺激のある味わいが料理にアクセントを加えてくれます。
サラダに少し入れるだけで、大人の味に仕上がります。
また、炒め物やおひたしにも向いていて、加熱しても辛味がほどよく残ります。
ただし、これらの野菜は季節によっては手に入りにくいことがあるので、見かけたときは購入しておくのがおすすめです。
菜の花(栄養価が似ている)
春の訪れを感じさせる菜の花も、クレソンの代わりに使える優秀な野菜です。
同じアブラナ科で、風味も少し苦みがあって似ています。
茹でるとやわらかくなり、苦味がやさしくなって食べやすくなります。
炒め物や和え物、スープにも使える万能選手です。
旬は春ですが、その時期には手ごろな価格で手に入るのもうれしいポイントです。
カイワレ大根(サラダの定番)
カイワレ大根は、1年中スーパーで手に入る手軽な野菜です。
ピリッとした辛味が特徴で、サラダやお弁当の彩りにもぴったりです。
クレソンのようなほろ苦さは少ないものの、料理のアクセントとしてはよく似た役割を果たします。
また、小さくて柔らかいので、生のまま食べやすいのも魅力です。
三つ葉(香りを楽しむ)
三つ葉は、独特なさわやかな香りがある和風野菜です。
クレソンのような辛味はありませんが、吸い物や煮物などに加えると、とても良い香りが広がります。
おだしとの相性がよく、料理を上品にしてくれます。
もしクレソンの辛味を再現したいときは、わさびや辛子を少しだけ加えて調整するのも良い方法です。
セリ(風味豊かな代用品)
セリは、香りが強くてシャキシャキした食感が特徴の野菜です。
水炊きや鍋物、雑炊などに入れると、クレソンの代わりに爽やかさを加えることができます。
熱を加えても風味が失われにくいため、煮込み料理にも向いています。
ただし、セリは春から初夏にかけてしか出回らないことが多いので、旬を見逃さないようにしましょう。
クレソンの代用品まとめ表
以下に、今回紹介したクレソンの代わりに使える野菜を、特徴や使い方とあわせてまとめた表を掲載します。
| 代替野菜 | 味の特徴 | 調理法例 | 入手のしやすさ |
|---|---|---|---|
| カイワレ大根 | ピリッとした辛味 | サラダ、トッピング | ◎(通年可能) |
| 菜の花 | ほろ苦い・甘み | 茹で物、炒め物 | ○(春限定) |
| からし菜 | ピリッと辛い | サラダ、炒め物 | △(季節限定) |
| 三つ葉 | 香りが豊か | 吸い物、煮物 | ◎(通年可能) |
| ルッコラ | 軽い辛味 | サラダ、ピザ | ○(比較的容易) |
| 大根の葉 | 苦味・辛味 | 炒め物、汁物 | ◎(通年可能) |
| セリ | 爽やかな香り | 雑炊、煮物 | △(季節限定) |
| わさび菜 | 軽い辛味 | おひたし、和え物 | △(季節限定) |
爽やかで新鮮な風味!クレソンとリンゴを使った冷たいスープの作り方
暑い季節にぴったりな、冷たくてさっぱりとしたスープを紹介します。
このレシピでは、クレソンとリンゴという少し珍しい組み合わせを使用しています。
それぞれの食材が持つ風味を活かすことで、絶妙な味わいが生まれます。
クレソンのピリッとした爽やかさと、リンゴの自然な甘みが見事にマッチします。
スープとしては珍しい組み合わせですが、一度食べるとクセになる美味しさです。
見た目も美しく、特別なおもてなしにも活躍します。
材料(4人分)
| 材料 | 分量・ポイント |
|---|---|
| クレソン | 約100g(1束程度)、ざっくり切って使用 |
| リンゴ | 1個、甘酸っぱいタイプがベスト |
| 玉ねぎ | 1/2個、細かくみじん切りに |
| 野菜ブイヨン | 約400ml、無添加だとさらに良い |
| オリーブオイル | 大さじ1杯、炒め用 |
| 塩・黒胡椒 | 適量で味を調整 |
| 生クリーム | 少量、お好みでトッピングに使用 |
作り方
・玉ねぎをみじん切りにし、オリーブオイルを熱した鍋で炒めます。
・玉ねぎが透き通るまで、焦がさないようにじっくり火を入れましょう。
・その間にリンゴの皮をむき、芯を取り除いて適当な大きさに切っておきます。
・クレソンも水でよく洗ってから、大まかにカットしておきます。
・炒めた玉ねぎにリンゴを加え、全体が柔らかくなるまでしっかりと炒めます。
・次に野菜ブイヨンを加え、軽く沸騰させて風味を引き出します。
・火を弱めたところでクレソンを投入し、弱火で5分ほど煮込みます。
・すべての材料に火が通ったら、ミキサーやブレンダーでなめらかにします。
・仕上げに塩と黒胡椒で味を整えてください。
・完全に冷えたら器に注ぎ、お好みで生クリームをたらして彩りを加えます。
・夏の食卓にぴったりな、さっぱりとした冷製スープが完成です。
栄養もあり、見た目にも爽やかなので、家族やお客様にも喜ばれる一品です。
クレソンの特徴と代用野菜8選!おすすめスープも紹介のまとめ
クレソンは、アブラナ科に分類される緑の葉野菜です。
少しピリッとした辛みと、ほんのり感じる苦味が持ち味です。
その味わいから、こってりとした肉料理の付け合わせにぴったりです。
さっぱりとした風味が、こってりした脂をリセットしてくれます。
ですが、クレソンはあまりスーパーなどにたくさん並ぶ野菜ではありません。
季節や地域によっては、まったく見かけないこともあります。
そんなときに役立つのが、クレソンの代わりになる野菜たちです。
料理の目的や風味に合わせて、最適な代用品を選びましょう。